転職を経てたどり着いた〝顔が見える距離感で伝えたい〟

目次
—いくつかのお仕事を経て、現在は愛媛の移住コンシェルジュとして働いていらっしゃいます
本当にやりたい仕事は何だったかな
もともと愛媛県の出身で、大学卒業後は地元の金融機関に就職しました。大学では文化学部に所属し、中でもアートマネジメントに興味を持って取り組んでいましたが、新卒時は安定した職に就きたいと考え金融業界を選んだんです。
上司や先輩に恵まれ、やりがいを持って仕事に取り組んでいたのですが、日に日に「私が本当にやりたい仕事は何だったかな?」という思いが湧いてきて、一年半ほど勤務したのち、アートについて学び直そうと東京へ出ることにしました。
東京では、NPO法人が運営する現代アートの学校に通い、その後地元に戻ってアート系の仕事に就きました。それ以降、転職サイトの取材ディレクション、映像制作会社のバックオフィス等、主にメディア関連の仕事を、会社員、派遣社員、フリーランスなどさまざまな立場で経験してきました。
—お仕事をされてきた中で、ある気づきがあったとか
知ってもらうことの大切さ
どのような仕事においても、常に感じていたことは〝世の中に知ってもらうことの大切さ〟です。アートイベントでも、商品でも、映像などのコンテンツにしてもそうですが、何か作っただけでは誰にも届かないものです。いかにして興味ある人に知ってもらえるかが重要だと気づき、PRや広報については特に力を入れて学んできました。
就職サイトの取材ディレクションをしていた時は、情報を発信するメディアの立場で、取材から記事作成、完成した記事をウェブにリリースするまでの一連の流れを経験することができました。ライターやカメラマンと一緒にクライアントである企業を訪れ、広報の方の話や撮影した写真をもとに記事を作成するわけですが、同じ企画でもクリエイターによって着眼点が違っていたりするところは興味深かったですね。
その後に勤めた映像制作会社では、ウェブの記事とはまた違う多種多様な作品づくりの現場に携わることができました。所属する映像プロデューサーの皆さんは個性的な方ばかりで、彼らとの交流からも大きな刺激を受けました。ここで、作り手の立場からマスメディアの役割をより深く考察できたことは、自分が本当にやりたいことの本質を見極めることにもつながったと思っています。
—現在のお仕事に興味を持ったきっかけは?
顔が見える距離感で伝えたい
伝えることの大切さを感じながら日々仕事に取り組んできましたが、メディアの仕事をいくつか経験してみて芽生えたのは、もっと〝顔が見える距離感で伝えたい〟という思いです。多くの人に向けて一斉に発信するマスメディアの仕事よりも、もっと個人に寄り添って伝える仕事がしたいと考えるようになったのは、大きなターニングポイントだったと思います。
その後、偶然目にしたNPO法人が募集する移住相談員の仕事に興味を持ち、地元愛媛の移住コンシェルジュとして仕事をスタートしました。
移住コンシェルジュは、地方への移住を検討している方に、移住先の仕事や住まい、暮らしの情報を伝える仕事です。相談にいらっしゃる方の中には旅行でよく現地に行く方もいれば、一度も行ったことがないという方もいらっしゃいます。目指す暮らしも働き方も人によってさまざまですが、共通しているのは「より良い人生のために」という思いです。
私が心がけているのは、ニーズを見極めてより良い選択をするための材料を提供すること。まさに、個人に寄り添う情報提供です。

—仕事のやりがいを感じたこと。また、これからの夢・目標を教えてください
目指すライフスタイルの実現をサポート
やはり、最初に相談にいらした方のことはとてもよく憶えています。その後、知り合いの方にこの窓口を紹介してくださったと聞いてとてもうれしく、また、それが大きな自信にもつながりました。
相談に来られた方がその後移住されて、愛媛での暮らしが気に入っているという話を聞くとうれしくなりますし、相談者の方だけではなく、地域の方とのやり取りの中で、より良い地域づくりをサポートしている実感が持てたときはやりがいを感じます。
日々、人生の大きな決断を控えている方と対話する中で、最近は心理学やコーチングにも興味が出てきて少しずつ勉強しています。
この仕事は、移住をサポートすると同時に、人それぞれの特性が活かせる場所を探すお手伝いでもあると思うんです。思い描くライフスタイルがあるけれど、なかなか一歩を踏み出せないという方に、思考の整理をお手伝いし、自信を持って実現していけるように手助けできたらいいなと思います。
また、愛媛の魅力を多くの方に知ってもらうことはもちろん、相談に来られた方の声を行政にフィードバックすることで、より良い地域づくりにも関わっていきたいですね。愛媛は気候が温暖で住みやすいことで知られていますが、地元の方たちが温かいところも大きな魅力なんです。何か困ったことがあっても、気軽に相談に乗ってくれたり、手助けしてくれたりする土地柄なので、移住してもきっと心強いと思います。

—転職に悩む方も多くいらっしゃいます。ご自身が転職を経て、今思うことは?
転職は〝ワクワクする〟方へ
あらためて考えてみると、私の場合、仕事内容や人間関係が自分に合っていないから辞めたということは一度もないんです。幸いなことに、まわりの方々や仕事環境に恵まれて、その時々の仕事にやりがいを持って携わってきました。
転職の理由としては、興味のある分野で仕事がしたいと考えたこともあるし、派遣期間の終了だったこともありますが、いつも共通していたのは、希望とビジョンを持って次の職探しをしたことです。仕事が合わないからといったネガティブな理由だけで転職していたら、その後の仕事もうまくいかなかったかもしれません。
もし、今の仕事が合わないなと思うことがあっても、では、どういう仕事がやりたいのか、次につながる希望を見つけて転職活動をした方がきっといいと思います。もし迷ったときは、ワクワクする方に進むことをおすすめします。

マイフィロソフィ
『一期一会』
どのような縁も双方にとって貴重な機会になるととらえて、コミュニケーションを丁寧に行うよう心がけています。
1日のスケジュール
06:00
起床
ストレッチ、朝食、身支度、家事
09:00
業務開始
メールチェック
クライアントと打ち合わせなど
12:00
昼食
13:00
午後の業務開始
大学での就職相談会に参加
18:00
業務終了
19:00
夕飯
動画鑑賞、読書などリラックスタイム
22:00
就寝
健康のために毎朝のストレッチ、そして日々の食事も大切にしています。休日には、観劇やアイドルの推し活をすることも。最近は落語や漫才も楽しむようになりました。