一年ほど住んでみるつもりが、そのまま現地で起業することに。好奇心旺盛な性格が、今の仕事にピッタリなんです。

目次
—東京で会社員として勤務された後、地域おこし協力隊として新潟県十日町市へ移住されています。どのような気持ちの変化がありましたか?
自分にしかないスキルを身につけたいと考え始めたのがきっかけです
会社員としての仕事はやりがいがあったし、何より安定していてよかったのですが、将来のキャリアを考えた時、自分にしかないスキルを持っていないことに気づきました。
デザインなどクリエイティブな分野にも興味があったので、会社に勤めながらグラフィックデザインの勉強をして資格を取ったり、それを活かせる仕事についてリサーチしたりと、先の進路について考えていました。
そんな時、地方で活躍する女性たちの話を聞くイベントに参加してみたんです。
そこで、農業・デザインなど、多方面の仕事をされているフリーランスの方の話を聞き、その自由な働き方に興味を持ちました。
私は、もともと好奇心が強く、何か一つのことに打ち込むより、その時々で興味を持ったことにチャレンジしたくなるタイプ。たまたまその会場に地域おこし協力隊のチラシがあり、挑戦したくなりました。
新潟県には行ったことがなかったのですが、東京から比較的近いし、何かあればすぐに行き来できる距離。最初は、一年ほど住んでみるくらいの気持ちで、あまり気負わずに移住を決めました。

—今、新潟に移住されてもう6年以上経ちます
特産品をPRする仕事にやりがいを感じて現地で起業しました
地域おこし協力隊としての仕事の一つに、地元の特産品をブランディングしてPRするという仕事がありました。農作物を作った農家の方にお話を聞いて、売り出し方を工夫したりするのですが、それが自分の性格にピタリとはまった感覚がありました。
商品の魅力や作った方の思いを言語化して消費者に伝えるという作業が、やってみると楽しく、また、うまくいくと感謝の言葉をかけていただける。これはしっかりと向き合いたいと思い、地域おこし協力隊の仕事を1年ちょっとで切り上げることにし、そのまま新潟で起業する道を選びました。
—起業してみて、よかったと感じるのはどんな時ですか?
感謝の言葉を直接もらえること
お客さまに、「ありがとう」「うれしい」という言葉を直接いただけることです。会社員時代は、自分の仕事の成果というものが実感として分かりにくいポジションにいたので、なおさらそう感じるのかもしれません。飽きっぽいところがある私ですが、根本的には、人の役に立つこと、人に喜んでもらえることが好きなんだと実感しました。
仕事の対価って、金銭的なこともそうですが、感謝の言葉をもらえることは大きいと思います。仕事は〝恩の循環〟で成り立つものだし、また、そういう仕事を続けていきたい。会社員時代には思いもしなかったことですが、起業してからそう考えるようになりました。

—仕事とプライベートの時間の区別はどうされていますか?
はっきりと区別はせず、いつも何か仕事に繋がることをして過ごしています
そういえば、意識して分けてはいないかもしれません。午前中にあまり予定を入れないことと、午後5時には仕事を終えるというマイルールは何となくですが決めています。でも、5時以降も興味がある分野のリサーチをしているし、夕食作りのついでに新事業で使うかもしれないメニューを考えたり、いや、新しいメニューを考えるついでに(?)それを夕食にしたりと(笑)、何かしら仕事に繋がることをして過ごすので、やはり区別はしていないですね。それでも楽しいのでストレスは感じていません。
—これからの目標・夢を教えてください
ジャンルにこだわらず、自分のアイデアを形にしていきたい
今現在は、仕事で依頼者の思いを形にするお手伝いをしているので、今度は、自分で「こんな商品があったらいいな」というアイデアを形にしていきたいと思っています。
実は、今年から新潟県の南魚沼市で旅館を改装した一棟貸しの宿泊施設の運営も始めました。自分のアイデアやこだわりを詰め込んだ宿泊施設です。これまで仕事で関わってきた方々に内装をお願いするなど、今まで新潟で培ってきたネットワークがここで生きている面もあります。
まだまだ課題はあるのですが、これからも、宿泊施設に限らず、いろんなジャンルで自分のアイデアや思いを形にしていけたらいいですね。


—今、仕事で迷っている女性たちにアドバイスを
コツは〝自分の強み〟を見極めること
誰でも何か一つは強みを持っていると思うんです。目の前にいる人が、自分に何を求めているかを掘り下げてみると強みが見えてくると思います。これは私の経験から思うのですが、「自分が、自分が」と、自分ばかりに思いが向いている時は、うまくいかないことが多かったです(笑)。
最初から大きなことをやろうと考えるのではなく、半径5メートル以内の人を幸せにするお手伝いが何かを考える。そのお手伝いは、自分にもまわりの人にも「ありがとう」が循環するので、仕事においても人生においても、どちらにも役に立つはずです!
マイフィロソフィ
・まわりの人を少しでも幸せにするお手伝いをする
・嘘のないように生きる
1日のスケジュール
09:00
起床
午前中はあえて予定を入れず、リサーチや今後の事業の構想を立てながら仕事をします
12:00
昼食
13:00
仕事の打ち合わせ等
17:00
買い出し〜夕食作り〜夕食
新たに始めた宿泊施設で出すメニューの考案を兼ねて
20:00
オンラインゲーム、愛猫と遊ぶ
忙しい日でもこの時間は大切にしています
21:00
入浴〜リサーチやアイデアまとめ等
0:00
就寝
仕事とプライベートの時間ははっきりと区別せず、いつも何となく仕事に繋がることをして過ごしますが、楽しいので特にストレスは感じていません。