「成長したい」という思いを大切に選んだ フリーランスという働き方
目次
—現在、フリーランスでお仕事をされているとのことですが、どのようなお仕事ですか?
旅行業界で培ったスキルを活かして
現在は、主にオンラインでの「傾聴」の聴き手(アクティブリスニングサービス/社外1on1等)と、まち歩きツアーの同行スタッフという2つの仕事を並行して行っています。
「傾聴」とは、話し手に積極的に関心を寄せ、気持ちに寄り添いながら相手の語りや表現に耳を傾けるカウンセリングの基本的姿勢・技術です。
これまで、添乗員やクルーズ船の乗務員として接客業に携わってきた中で、何より大切だと実感したのが、共感的に寄り添いながら「丁寧に話を聴くこと」でした。そのスキルをもっと専門的に磨きたいと考え、1年前に産業カウンセラーの資格を取得しました。現在は、将来的なキャリアを見据え、オンラインでの対話を通じて実務経験を積み重ねている最中でもあります。
一方、まち歩きツアーは、実際に開催場所に出かけ、現地での受付からお客様のサポートまで行います。こちらは主に週末に開催されますが、サポート業務のほかに、事務や若手スタッフの育成といった、これまでの経験を還元する役割も担っていますので、平日はそういった仕事にも対応しています。

—これまで何度か転職を経験されたそうですね。その際、大切にされたのはどのようなことですか?
違う世界を見ておきたい
新卒で入った旅行業界では、国内ツアーの添乗員として全国を飛び回り、多忙ではありましたが充実した日々を過ごしていました。ただ、20代後半に差しかかり、周囲の友だちが結婚や転職で環境を変えていく姿を見て、あらためて自分の将来を見つめ直したんです。
そのとき、ヒントになったのが先輩・同期たちの歩みでした。一度別の業界を経験したり、ライフステージの変化を経て戻ってきたりと、多様なキャリアを歩んでいる方が多かった。「添乗員のスキルは一生ものだから、一度離れても戻ってこられる」と確信できたことで、今のうちに違う世界を見ておきたいという意欲が湧いてきました。
また、当時は不規則なシフトで出張も多かったため、「毎日家に帰り、家族や友人との時間も大切にしたい」という願いもありました。そこで、培ってきた接客スキルを活かしつつ、オフィスワークとして規則正しく働ける「コンシェルジュ」の道を選んだんです。
自分の時間を大切にしながら、違う環境でキャリアを積みたい。その両方を手に入れるためのシフトチェンジでした。
—コンシェルジュやクルーズ船など、異なる環境で接客スキルを磨かれる中で、どのような気づきがありましたか?
対話の奥深さに触れ、見えてきた「一生の仕事」
コンシェルジュの仕事では、電話越しという「声のみ」の対応に挑戦しました。その時々の状況に合わせた臨機応変な判断が求められ、添乗員とはまた違う手応えがありましたが、一方で、「相手の顔が見えない対話」の難しさにも直面しました。お客様の表情や仕草など、言葉以外の情報がいかに大切だったか…。私はやはり現場で、目の前の方の温度を感じながら仕事がしたいのだと再確認するきっかけになりました。
その後、ご縁があり富裕層向けクルーズ船の予約業務を経て、数年後には乗務員として再び現場に出ることに。試行錯誤の連続でしたが、それぞれの現場での気づきが「自分は接客が好きなんだ」という確信と、プロ意識を育ててくれたと思います。
また、クルーズ船時代は、仕事の合間に一緒に働くスタッフたちの悩みや人生相談に耳を傾けた時間が、私にとってかけがえのない思い出になりました。多様な価値観に触れる刺激の中で、熱心に話を聴く私の姿を見て、「スナックを開いたら?」と言われるほど(笑)。
そこで、「聴き上手の小松さん」という評価をいただいた経験が、単なる接客の枠を超えて、プロとして「聴くこと」を追求したいという思いとなり、現在の道に繋がっています。

—「聴く」仕事の醍醐味、そして、フリーランスという道を選んだ現在の心境を教えてください
「成長したい」という思いを大切に
一番の喜びは、対話を通じて相手のこころにプラスのエネルギーを与えられたときです。悩んでいた方が、お話しされるうちに少しずつ前向きな表情・声色になっていく。私を信頼して打ち明けてくださることがありがたいですし、「聴いてもらえてよかった」という言葉をいただけると、この仕事をしていて本当に良かったとこころから感じます。
また、多くの方の人生に触れることは私自身の学びにもなり、人と人との対話が持つ「気づきを生み出す力」を日々実感しています。
組織を離れてフリーランスになったことで、仕事への向き合い方も変わりました。以前は、「もっと丁寧に、ここに力を入れたい」と思っても、組織の方針や時間の制約という現実がありました。しかし今は、自分の裁量の範囲で、納得がいくまで力を尽くすことができます。
「聴く」仕事に正解はなく、ゴールもありません。だからこそ、一生学び続けることが必要です。自分自身の「もっと成長したい」という思いを大切にしながら、これからも研鑽を積んでいきたいと思っています。

—最後に、自分に向いている仕事や、キャリアの選び方に迷っている方へアドバイスをお願いいたします
自分に誠実でいられる選択を
私自身の経験を振り返ってみると、仕事を選ぶ際の「軸」として、新しい領域への好奇心と挑戦を常に大切にしてきました。一方で、親族や上の世代からは、「安定した仕事、カレンダー通りに休める仕事が一番だ」と助言されることもありました。もちろん、家族を安心させるために、その条件を重視することも一つの選択かもしれません。
ですが、それは親のための人生であり、自分の人生を生きることにはならないと私は考えます。迷ったときは、自分の気持ちに正直に、自分に誠実でいられる道を選ぶ方がいいと思います。そうして選んだ仕事なら、たとえ忙しくても、困難にぶつかっても、前向きな気持ちが湧いてきますよね。充実感をもって日々過ごすことで、結果的にまわりの大切な人たちも幸せにできると思うんです。
迷ったときは、「本当はどうしたいの?」と、自分に問いかけてみてください。
マイフィロソフィ
『誠実・素直・好奇心・挑戦・成長・家族』
1日のスケジュール
05:30
起床
朝食、身支度
06:30
まち歩きツアーの開催地に向けて自宅を出発
移動中に調べ物など
08:30
開催地に到着
ツアー受付
まち歩き同行
12:00
昼食
参加者やガイドさんと一緒に
食事をとることも
16:00
帰宅
事務作業、夕食、入浴など
20:00
オンラインで傾聴の仕事
24:00
就寝
こちらは、ある一日のスケジュールで、日によって仕事内容やスケジュールはまったく違います。まち歩きツアーの仕事が入っている日は、開催場所までの移動時間で調べ物をしたり、趣味の読書・動画を観たりすることもあります。

















































































