怖かったパソコンが、心強い相棒に。 子どもと向き合いながら見つけた新しい働き方
目次
—フリーランスのパソコン講師としてご活躍中ですが、以前はパソコンが苦手だったそうですね?
パソコン恐怖症だった過去
そうなんです。実は、長い間パソコンに対して苦手意識を持ったまま避けていました。というのも、以前、事務職として働いていたとき、先輩から毎日とても厳しいパソコン指導を受けたことで、自信を失ってしまった経験があるからです。
実際、その職場では厳しさに耐えられず、スタッフが何人も辞めてしまうほどでした。それでも、「パソコンができるようになりたい」という思いから必死に取り組んでいましたが、毎日のように叱られてばかりで、「ああ、私はパソコンに向いていないんだ」と思うように。すっかりパソコン恐怖症になっていた頃、妊娠がわかり、ドクターストップがかかったことをきっかけに職場を離れました。
そんな経験があるので、不安を抱えながら受講される初心者の方の気持ちがよく分かります。「少しでもわかりやすく伝えたい」「オンラインでパソコンができると楽しいよ」そんな思いを込めて、この楽しさが伝わるよう日々の仕事に向き合っています。
—再びパソコンにチャレンジされたきっかけは何だったのでしょうか?
在宅でできる仕事を模索
きっかけは、二人の子どもが不登校になった事です。多感な時期とコロナ禍が重なり、心が不安定になっていました。当時は、どう対応すべきか分からず、焦る気持ちから「なんで学校に行かないの」と責めてしまったり、逆に、責めてはいけないと気分転換を促したりと、試行錯誤しながら毎日もがいていました。
その頃、私は障がい者施設で生活介護のパート勤務をしており、その仕事にとてもやりがいを感じていたのですが、不安定な子どもたちを支えるためには、在宅でできる仕事に切り替える必要があると感じるようになりました。
考えた末、清水の舞台から飛び降りる思いで起業塾に参加。そこで、「起業にはパソコンが欠かせない」という現実を知り、思い切って購入を決めました。
しかし、当時は仕事でパソコンを使っていた過去もすっかり忘れ、ノートパソコンの開き方すら分からず、開かない側を一生懸命開けようとしていたほど(笑)。そんなレベルからのスタートだったため、これではいけないとオンラインのパソコン教室で一から学び直すことにしました。
子どものこと、仕事のこと、将来のこと。毎日考えることが山ほどあり、頭も心もフル回転。今振り返ると嵐の中にいるような大変な日々でした。この頃、「あなた自身が行動することで、子どもたちに〝チャレンジする姿〟を見せるいい機会になるよ」と、先輩から力強く応援していただいたことが励みになりました。
親子で前に進むために「今、私ができることは何でもやってみよう」と腹をくくって挑んでいました。

—仕事をスタートされてから、集客のためにある工夫をされたとか
営業下手は動画でカバー
パソコン講師として、まずはオンライン講座のプラットフォームに登録したのですが、最初はなかなか受講生が集まらず、焦る日々が続きました。同期の仲間には次々と生徒さんがつくのに、私はゼロ。仕事を始めてさっそく、大きな壁にぶつかってしまったのです。原因は、自分をアピールするのがあまり得意ではないこと。つまり、営業下手なんですね。
しかし、たくさんの講師が登録しているプラットフォームでは、ただ待っているだけでは生徒さんは来てくれません。何ができるかを考え、そこで講座の紹介動画を撮ることを思いついたんです。営業トークが苦手でも、動画なら何度でも撮り直せますから。
とはいえ、最初の1本は緊張して棒読み状態(笑)。後から見返して、ひどい自己紹介動画を載せていたと感じました。価値が伝わる動画を作るにはどうしたら良いか模索する中、以前学んだ「いつもの話し方の1.5倍ほどのテンションで話すのがコツだ」ということを思い出しました。思い切って実践してみたところ、少しずつ反響が出て、申し込みも増えていきました。
最初は、テンション高く話をすることに抵抗や恥ずかしさもありましたが、時間の経過とともにそれを乗り越えた今、「下手なりに、ちょっとは成長できたね」と、自分を褒めたいと思います。
—仕事をする中でやりがいを感じる瞬間や、うれしいエピソードがあれば教えてください
世界が広がる過程に伴走できる喜び
受講される方の中には、パソコンがあまり得意ではないにもかかわらず、「町内会で唯一パソコンが家にある」という理由で、いきなり動画編集を任されてしまった方もいらっしゃいました。不安な気持ちを抱えながら、勇気を出して受講してくださる方も少なくありません。
また、まったくの初心者からスタートして、今では動画教材を販売して収入を得るまでに成長された方もいます。
最初は恐る恐るキーボードを操作していた方が、「自分にもできた」と喜んでくださったり、時間がたって「わからないことが出てきた」と、再び講座に申し込んでくださったり。その時々でサポートを続け、それが1年、2年と経った今、立派にオンラインで活躍されている姿を見ると、私もとても嬉しくなります。
パソコンが苦手だった方が、少しずつ成長されていく姿を間近で見られることは、この仕事ならではの大きなやりがいの一つです。
また、長年サポートさせて頂いているハンドメイド作家の方は、SNSで多くのファンを持つ大人気作家さんで、そのお姿はとても頼もしく、まるで無敵のように感じています。今もなお、毎月数回、SNSに関する困りごとなどをサポートさせていただけること、そして、その成長の一部に関われていることを、とても嬉しく思っています。パソコンを通して、生徒さんの世界が広がっていく過程に伴走できることは何よりの喜びです。

—苦手を克服して、うまくいったコツは何でしょうか?
自分にできることを考えてみる
私の場合、困ったときはまず、「今の自分にできることは何か?」を考えるようにしています。難しいことや問題が目の前に出てきたときに、「難しい」「できない」という気持ちが先に大きくなってしまいがちです。そんなときは、自分にこう言い聞かせます。「シンプルに考えて」「簡単に考えて」「今、私ができることは何だろう」と。
そうして考えていく中で、「この方法ならできるかもしれない」とひらめくことがあれば、小さなことでも、まずは行動してみます。一つ行動できると、少し自信がつきます。その積み重ねを大切にしていきたいと思っています。
講師として多くの方と接する中で、「無理」「どうせ私にはできない」と、最初からあきらめてしまう方も多いと感じることがあります。その気持ちはとてもよく分かりますが、可能性を自分で閉ざしてしまうのは、やはりもったいないことです。
きっと誰の中にも、まだ気づいていない可能性がちゃんとあって、「やってみたい」と思ったことは、もしかしたら「できる未来」につながっているかもしれません。どんなに小さくても、できることをコツコツと積み重ねていけば、「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」という言葉の通り、誰にも道は開けていく。私は、そう信じて進んでいきたいと思っています。
マイフィロソフィ
『謙虚/慢心すれば足元をすくわれる』
1日のスケジュール
07:30
起床
朝食準備、身支度、家事など
08:45
子どもを学校に送迎
09:45
帰宅
残りの家事、掃除
10:00
午前のオンラインレッスン開始
12:00
お昼休憩
13:00
午後のオンラインレッスン開始
仕事関連の事務作業をすることも
18:00
子どもの送迎
19:00
夕食準備
20:00
夜のオンラインレッスン開始
終了後は他の仕事や勉強
入浴
25:00
就寝
オンラインレッスンが入っている日のスケジュールです。レッスンの予約が入っていない時間は、動画教材を作ったり、デザインの勉強などをしています。








































































