育児の傍ら、キッチンから始まった仕事。 続けるコツは「無理をしない」
目次
—栄養豊富でおいしく作れる時短レシピが人気です。料理家としてお仕事を始めたきっかけについて教えてください。
専業主婦として過ごすつもりが…
4人の子どもがいるわが家では、子どもたちが小さかった頃、家族で外食をするのがなかなか難しく、友人を自宅に招いてホームパーティを開くことがよくありました。もともと料理をすることが好きだったので、おもてなし料理を考えて作る時間も楽しみのひとつでした。そんな様子を見ていた友人から、「レシピを発信してみたら?」と勧められたことが、今の活動につながる最初のきっかけです。その友人はスイーツコーディネーターとして仕事をしており、料理好きの私からすると、彼女の話はいつも興味深いものでした。
もともと母親になることが夢で、結婚後は家庭を大切にしながら日々を過ごしていきたいと考えていましたが、彼女の話を聞くうちに、「こんな働き方もあるんだ」と感じるように。家庭と両立しながら続けられる仕事なら、ぜひ挑戦してみたいと思うようになりました。
私自身、会社員として働いた経験はありましたが、料理やインターネット関連の仕事はまるで未経験。そのため、料理写真の撮り方や見せ方などは、講座に通って基礎から学び、少しずつ身につけていきました。

—レシピのテーマや、工夫していることはありますか?
リアルな生活から生まれたレシピ
レシピ投稿を始めた当初は、おしゃれなパーティ料理や、見た目が華やかなメニューを紹介していた時期もありました。ただ、投稿を重ねるうちに、見てくださる方の反応から求められているものが少しずつ見えてきて、「時短」「手頃な食材」「洗い物が少ない」といった、より生活に根ざした料理へとシフトしていきました。
私自身、4人の子どもと、食べることが大好きな夫のために毎日料理を作っています。その中で常に考えていたのは、いかに素早く、しかも手抜きに見えず、子どもにも喜ばれる料理を作るか、ということ。包まない餃子や、丸めないハンバーグといったレシピも、そんな日々の試行錯誤から生まれたものです。
「今日は餃子を作ろう」と思って材料を一式買ってきても、急な用事で作る時間がなくなってしまうこともありますよね。そんなとき、もっと簡単な調理法があれば、おいしさはそのままに、食材を無駄にせずに済むのではないか。そういった、毎日のリアルな暮らしの中で思うことが、レシピを考える上での原点になっています。
—4人のお子さんを育てながらのお仕事、大変ではありませんか?
家族は頼れるご意見番
撮影の講座に通っていた時期や、レシピ本を出版した際は、やはり時間的に大変だと感じることもありました。料理の撮影に一日中かかりきりになることもあり、慌ただしい日々でしたが、家族はその状況を一緒に楽しんでくれていました。
試作を作っては家族に試食してもらい、率直な感想を聞く。夫や子どもたちがワイワイと食卓を囲みながら意見を言い合う時間は、忙しくも楽しいイベントのような感覚でした。
特に夫は食べることが大好きで、新しいレシピができるとモニター役を喜んで引き受けてくれます。おいしい時は素直に褒めてくれますし、そうでない時は遠慮なく意見を伝えてくれる存在。いちばん身近で信頼できるアドバイザーだと感じています。

—現在、ほぼ毎日レシピを投稿されています。長く続けるコツはありますか?
無理な時はあきらめる
私の場合、撮影のために特別な料理を用意することはせず、その日に家族のために作った夕食をそのまま撮影し、レシピと一緒に投稿しています。毎日の料理を、無理なく仕事に活かす、という感覚ですね。
キッチンのすぐ隣には、あらかじめ撮影用のスペースを設けていて、一品完成したらサッと移動して撮影します。翌日、子どもたちが学校へ行ったあとに、写真を整理しながらレシピを書き、投稿するのがいつもの流れです。
とはいえ、日々の生活の中では予想外の出来事が起きたり、体調がすぐれなかったりして、思うように投稿できない日もあります。特に冬場は日が短く、自然光が足りずに写真がきれいに撮れないことも。そんな時は、「今日は無理をしなくていい」と割り切って投稿を休みます。
「毎日必ずやらなければ」と気負いすぎず、できない日があって当然だと肩の力を抜くことが、長く続けるためには大切だと思っています。

—小さな子どもを育てながらの仕事は、時に難しいこともあると思います。迷ったとき、指針としていたことはありますか?
子どもの気持ちに向き合うことを優先して
特に子どもが小さいうちは、朝になって突然「保育園に行きたくない」「学校に行きたくない」と言い出すこともありますよね。そんな時、「仕事で迷惑をかけてはいけない」という気持ちが先に立ってしまい、つい子どもを叱ってしまうことがあると思います。
でも、そういう時こそ、仕事はいったん後回しにして、子どもの気持ちに向き合ってほしいと思うんです。多くの場合、ただ行きたくないというよりも、何かしらの悩みや不安を抱えていることがほとんどだからです。私自身も、後になって「あの時、もっときちんと話を聞いてあげればよかった」と後悔した経験があります。
仕事で迷惑をかけてしまうのでは、と考えると苦しくなりますが、子どもにとって母親は自分しかいません。迷惑をかけることを過度に恐れず、そして、「子どもを優先するなんて甘い」と、自分を責めないでください。長い目で見れば、子どもの気持ちと向き合った時間はきっと無駄にはならないと思います。
マイフィロソフィ
『私らしく、ゆっくりと。』
1日のスケジュール
06:00
起床
朝食、お弁当作り
子どもたちを順に送り出す
08:30
朝食の片付け
09:30
レシピ投稿、家事など
15:00
次男帰宅
15:10
夕食作り開始
レシピ作成、写真撮影など
19:00
家族で夕食
20:00
趣味の晩酌
22:30
就寝
休日も変わらず食事を作って投稿しています。仕事であり、趣味でもあります。子供たちが巣立った後も、ライフスタイルの変化に合わせてレシピを作って投稿を続けたいと思っています。














































































