長く続けることで 自分の役割が見えてくる
目次
—現在、ヨガ講師として活動していらっしゃいます。梅澤さんのレッスンの特徴や心がけていることを教えてください
心と体と向き合うこと
平日は主にスタジオレッスンや、企業に出向いてのヨガ講習、週末はヨガ関連のイベントに講師として呼んでいただいたり、また、自分でイベントを企画することもあります。そのほかにオンラインサロンも運営しており、そちらでは会員の方に向けてオンラインレッスンや座学をおこなっています。
初心者から熟練者まで幅広く教えますが、変わらず大切にしているのは、ヨガの考え方を丁寧に伝えることです。
ヨガのレッスンを受けたことがある方は、「がんばりすぎないこと、無理をしないこと」を、最初に言われると思いますが、そういったお話ですね。ヨガは競い合う競技とは違い、自分の心と体に向き合ってこそ意味があるもの。「今日、うまく動けなくてもそれで大丈夫」と、しっかり伝えます。なぜ大丈夫なのか、自分と向き合うことの意味を理解してレッスンに入ることが大切なんです。
また、私の場合は、 “ヴィンヤサスタイル”といって、流れるように動くヨガを得意としています。そのため、アクティブな要素が欲しい方や、男性にも比較的多く受講していただいていますね。動くスタイルが得意なのは、もともとダンサーとして活動していた影響かもしれません。

—ダンサーからヨガ講師に転身されたきっかけは何ですか?
ケガをきっかけにヨガを深く学ぶ
もともと体を動かすのが好きで、幼稚園から小6まで親の勧めでバレエを習っていました。ただ、夏のプールが好きなのに、発表会が近づくと日焼けしちゃいけないのがストレスで、バレエは辞めてしまったんです。その後、高校生のときにジャズダンスと出会い、夢中になりました。ちょうど、安室奈美恵さんなどダンス系のアーティストがよくテレビに出ていた頃で、カッコよく踊る姿を見て私も憧れたんです。
短大を卒業してからもダンスを続け、25歳ごろまでフリーターでずっとダンス漬けの日々でした。ジャズダンスをはじめ、ヒップホップ、ハウス、ロックダンスにコンテンポラリーダンスなど、あらゆるダンスを学び、オーディションを受けてはアーティストのミュージックビデオに出演したり、舞台に立ったり、仲間とチームを組んでステージに出たり。
当時は、日々のアルバイトにオーディション、深夜にまで及ぶリハーサルやレッスンなど、今考えるとかなりのオーバーワークです。そんな生活が影響したのか、次第に腰の調子が悪くなり、ついには歩けなくなるほど悪化してしまいました。
ちょうどダンスの仕事が軌道に乗りはじめた頃だったので、悔しくて仕方なかったことを憶えています。まずは自分の体を何とかしたいと考え、時々ボディメンテナンスとして続けていたヨガの勉強を本格的に始め、それをきっかけに、講師になる道を考えるようになりました。
—ヨガに出会ったことで、ご自身に変化はありましたか?
「そのままでいいんだよ」に救われて
ヨガに出会ってから、食生活をベジタリアンにシフトしたのですが、それが私の体に合っていたようで、実践するごとに体調が整っていくのを感じました。
実は、体を動かすのが好きだった一方で、体が弱いという面もあり、そのことで長く悩んでいたんです。子どもの頃は、朝礼で倒れてしまうような子だったんですよ。胃腸も弱くて、お肉を食べるとお腹をこわしたり、体調が悪くなるので控えていました。でも、他の人にとっては、お肉を食べるのが“普通”のこと。以前は、今ほどベジタリアンやヴィーガンが世間に認知されておらず、お肉を食べない私は“ちょっと変わった人”という立ち位置だったため、多少の生きづらさを感じていました。それが、ヨガの世界に入ってからは、まわりにベジタリアンやヴィーガンの方がたくさんいらっしゃいますので、生きやすくなった感覚があります(笑)。
また、先ほど話に出ましたが、「無理をしなくていいんだよ」というヨガの考え方が、心に深く響きました。当時は、「そのままでいいんだよ」という言葉を聞いて涙が出ましたから。それほど、体だけではなく、日々心も無理をしていたのだと思います。
講師になろうと思ったのは、当時の私と同じように、無理をして体や心を壊してしまった方の力になりたいと考えたことが大きいですね。

—このお仕事をしていてよかったと思う瞬間、やりがいを感じることを教えてください
生徒さんの姿を見て気づくこと
クラスを受けた後の生徒さんの表情がやわらかくなったり、不安や痛みが軽くなったという話を聞いた時はうれしいですね。ヨガを習いにくる方って、最初から元気ハツラツな方はめずらしくて、どこかしら体の痛みや不安を抱えていらっしゃることが多いんです。だから、大人の習い事としてぴったりなんですよ。学生時代の部活動と違って、「根性でがんばれ!」とは言われませんから(笑)。
「膝が痛ければ、痛くない範囲でやってみよう」と、マイペースでできますし、人生経験を重ねてから学ぶヨガ哲学も、味わい深いものがあります。
また、大人になると、新しい友人を作る機会が少なくなると思うのですが、私のクラスがきっかけで生徒さん同士が仲良くしているのを知るとうれしくなります。
気の合う仲間とのおしゃべりは、心の健康にもつながりますよね。体の健康ももちろん大切ですが、人との繋がりで生まれる心の健康も大切なことだと生徒さんを見て気付かされます。
—好きなこと、得意なことを長く続けてこられましたが、困難に突き当たったときの乗り越え方や考え方をぜひ教えてください。
好きなことには意味がある
ヨガ哲学では「自分が好きなことと、社会での役割が一致することが幸せ」という考え方があります。
好きなことと徹底的に向き合うと、時には、自分のダメな部分が見えてきて落ち込むことがありますよね。「ダメだ、辞めよう」と思っても、それがない人生を考えたら虚しくなってくる。それが、私の場合はダンスでした。
先ほど、ケガをきっかけにヨガの道へとお話しましたが、そのときも、実はすんなりと気持ちが切り替えられたわけではないんです。講師になるための勉強に必要な時間とエネルギーを考えると、とてもダンスと両立はできない。ダンスを絶って挑戦するしかないと決心した後も、ダンスと離れることへの葛藤があり、しばらくは未練タラタラでした(笑)。でも、そんな自分の気持ちも否定せず、受け入れて少しずつ前に進んできました。
今では、好きなダンスにとことん向き合ったこと、体をこわしてしまったこと、すべての経験が足がかりとなり、ここに立っているのだと感じます。
長く続けることで、自分の中に確実に残っていくものがあり、それがやがて誰かを助ける力になる。いいことも悪いことも乗り越えた先に、自分の役割が見えてくると思うんです。好きなことには、ちゃんと意味があるんですよね。

マイフィロソフィ
『体が元気なら心も元気。心が元気なら体も元気。』
1日のスケジュール
07:00
起床
起床後、ヨガの練習を30分ほど
08:00
朝食
朝食後、家事など
10:30
スタジオへ
養成講座の講師を担当
13:00
自身のトレーニング
ヨガをはじめボディメンテナンス
15:00
オンラインサロン用の動画撮影など
18:00
スタジオクラス
20:00
オンラインサロンライブ
20:30
事務作業
23:30
就寝
こちらは、比較的忙しい日のスケジュールです。時間に余裕があるときは、帰宅後のひとときを趣味の時間に充てることも。好きなダンスは、趣味として今でも週に一回レッスンを続けています。














































































