看護師から健康経営コンサルタントへ。働く人の健康を支え、組織を強く
目次
—現在健康経営コンサルタントとしてお勤めです。どのようなお仕事をされていますか?
組織の健康経営をサポート
企業へ産業医の紹介とともに、産業保健体制の構築やPDCAの運用を支援する会社で、「健康経営コンサルタント」として仕事をしています。産業医とは、企業で働く方々の健康を守る専門医のことで、従業員数50人以上の会社への配置が法律で義務づけられています。
また、働く方の健康を守ってより良い経営につなげるためのアドバイスをはじめ、2016年から経済産業省により導入された「健康経営優良法人」の認定を受けるためのサポートも行っています。
この制度は働く人の健康を重視し、健康経営に取り組む企業を評価するもので、認定を受けるには、従業員の健康診断やストレスチェックの実施状況、生活習慣病への対策、ライフワークバランスへの配慮など、従業員の健康に関する経営層の意識が問われます。
同制度の中小規模法人部門では、認定を受けた企業のうち上位500社が、特に優れた取り組みを行っている企業「ブライト500」として表彰されます。近年では、企業の健康経営への意識が高まり、申請数も増えてきているんですよ。
私は前職より産業保健の分野に長く携わってきましたので、その経験を活かして、働く人の健康維持や健康経営を軸とした組織づくりに貢献したいと考え入社しました。各企業に合わせた健康経営の提案ができる点に魅力を感じましたし、何より、会社のスローガンである“業界一、おせっかいであれ”という言葉に強く共感したんです。おせっかいというのは、ネガティブに捉えられることもあるかと思いますが、思いやりの気持ちを行動に移すという、素敵な意味合いがあると思っています。

—もともとは、看護師として病院に勤務されていたそうですね
看護の現場で培った“一人ひとりに向き合う姿勢”
新卒で看護師として医療現場に入り、急性期病棟で重篤な疾患を抱える患者さんの看護を担当していました。ミスが許されない環境で、体力的にも精神的にも大変でしたが、この時期の経験が今の私の専門性や仕事への向き合い方の原点になっています。
命に直結する現場では、医療技術だけでなく、患者さんの不安や痛みに寄り添う力も問われます。他の職種とうまく連携をとることも大切で、いかにチームとして動くかを常に考えていました。
また、患者さんと直接関わることで「ありがとう」と、感謝の言葉をかけてもらえることも多く、大きなやりがいを感じていましたし、病気と闘う姿に心動かされ、何度も励まされました。医療の現場で学んだ“一人ひとりに向き合う姿勢”は、今も変わらず大切にしています。
看護師の仕事を長く続けたいと、結婚してからも勤務を続けておりましたが、長男が小学校に入学したとき、夜勤を含む勤務体制では家庭生活に支障が出てしまうため、自身の働き方について真剣に考えました。30代に入り、体力的にも厳しいと思う場面がちらほら出てきたことも大きかったですね。以降は夜勤のない仕事に就きたいと、産業保健の分野に転職することにしたんです。
—キャリアチェンジされて、いかがでしたか?
働く中で感じた健康支援の必要性
最初は産業保健を手がける会社に転職し、社内の新規事業であるメディカルコールセンターの立ち上げに携わりました。新しい領域だったため一から体制を整える必要があり、想定される状況の見極めからオペレーター向けのマニュアル作成まで、医療のジャンルを横断したあらゆる作業が必要でした。
常に最新の医療知識や情報を取り入れるため、土日も自主的に学会や勉強会に参加していました。これまでにない領域に挑戦する機会に恵まれ、最新の医学的知見に触れることができたのは幸運だったと思います。自身が成長できる環境ではありましたが、一方で、長時間労働や激しい競争、スピード重視の風土の中で、仕事と家庭の両立を難しく感じた時期でもありました。
その後、休日にきちんと休める環境で仕事をしたいと考えて大手企業の健康管理室に転職。常勤医療職として、産業医や健康保険組合と連携しながら、企業全体の健康戦略に取り組みました。
約10年間勤務した中で、従業員が健康に留意して存分に力を発揮し、長く働き続けるためには、個人はもちろんのこと、“組織”に対する健康支援の必要性を感じました。従業員の健康は、企業の成長にとっても大切な要素なのです。ただ、当時はまだそうした意識が浸透していなかったこともあり、意識改革の難しさを感じたこともありました。
50代にさしかかる頃、会社の方針と自身の価値観にギャップを感じるようになり退職を選んだのですが、ここでの経験は、広い視野で健康経営のあり方を考えるきっかけになり、今の仕事に大きく活かされていると思います。
—お仕事のやりがい、この仕事をしていてよかったと思えることをお聞かせください
施策の効果を実感できたとき
顧客企業の担当者から「健康経営サポートサービスを利用してよかった」と言っていただけたときはうれしいですね。担当した企業でメンタルヘルス対策や生活習慣改善の取り組みなど、健康課題に関する施策が継続して活用され、その効果や変化をお客様と一緒に実感できたときには、大きなやりがいを感じます。
また、社内においても健康経営推進チームと衛生委員会が連携し、施策の可視化や評価・改善に取り組んでいるんですよ。例えば、健康宅配食の活用、東京都のスポーツ推進企業制度を利用した姿勢測定会の実施、また、コミュニケーション促進を目的としたミニイベントなども開催しています。
これらの取り組みの成果として、2年連続で「健康経営優良法人(ブライト500)」の認定を受けることができたことも、大変うれしく思っています。

—人生の転機で立ち止まり、次のステップを考えたとき、一番大切にしてきたことは何でしょうか?
悩みは一人で抱え込まない
私の場合、立ち止まるきっかけとなったのは、家庭の事情や自身の体力の問題、また、仕事に対する想いが明確になったとき等ですが、女性が仕事をするにあたっては、その時々で大切にしたいことが変わってくると思うんです。
20代はキャリアを築くことに力を注げますが、子どもができると子育てなど家庭生活も大切になってきます。また、年を重ねたら体調の変化と向き合うことがあるかもしれません。ライフステージの変化に合わせてベストな働き方ができればいいですね。
キャリアについて悩んだとき、私は同業種が集まる勉強会に参加したことで助けられました。産業看護職や心理職、産業医など同じ立場の方々と意見交換を重ねるなかで、自分の専門性を今後どうのように活かすかを再定義することができたんです。
勉強会では女性メンバーが多く、仕事や暮らしの悩みも似ていて、先輩方の話が参考になりました。また、皆で“ワーク”と“ライフ”の問題点の洗い出しをおこなったことで、それがより良い仕事、より良い人生を考える上での指針となりました。
迷ったときは一人で悩みを抱え込まず、家族や上司、信頼できる仲間に相談することをおすすめします。さまざまな意見やアイデアに耳を傾けると、自分の可能性や最適な道が見えてくるかもしれません。
マイフィロソフィ
『変化を恐れず、柔軟にしなやかに生きること』
1日のスケジュール
06:00
起床
朝食、身支度
09:00
始業
メールチェック、会議
12:00
昼食
13:00
午後の仕事開始
メルマガ原稿の執筆
翌日の打合せ準備など
18:00
終業
19:30
夕食、家事など
22:30
リラックスタイム
入浴、ストレッチなど
23:30
就寝
休日はゴルフの練習場へ行き、思いっきり体を動かすことが楽しみです。














































































