東京と香川、二つの会社で 培ったスキルは宝物

目次
—留学カウンセラーのお仕事に就こうと思ったきっかけを教えてください
教育に携わる仕事に就きたい
もともと、私自身も留学経験がありまして、高校時代にフィリピンに1年間、その後アメリカの大学にも留学しました。
アメリカでは、マーケティング学部を卒業後、OPT(Optional Practical Training)* で1年間母校の学生課に勤務し、そこで学生寮の運営と管理、寮長のリーダーシップ教育などを担当し学生たちをサポートしました。
学生ビザがきれるタイミングで今後どうするべきかを考えたとき、アメリカに残る選択もありましたが、日本人として日本でのビジネススキルも持っておきたいと考え、帰国する道を選んだんです。
帰国後は、以前留学時にお世話になった今の会社に相談し、留学カウンセラーとしての仕事を始めました。アメリカの生活で〝学生〟と〝職員〟の二つの立場を経験したことで、教育の現場に携わりたいという思いが強くなっていましたし、何より、学生たちがそれぞれ望む道に向かって進み、成長する姿を見ることに大きな喜びを感じていたんです。
*OPT=学生ビザで就学している学生が、専攻分野と関連した職種で最長1年間の企業研修を行うシステム。

—その後、想定外の出来事で大きな決断をされたとか
コロナ禍で香川県へ
実は、アメリカから帰国するとき、お付き合いしていた彼が一緒に日本に来てくれたんです。私の勤務地が東京だったので、彼も首都圏で仕事を探していました。
ある時、「カナガワで仕事が決まったよ!」と報告を受け、よく見てみたところ、それがなんと「カガワ」の間違いだったんです(笑)。一文字見落としてしまっていたわけですが、せっかく決まった仕事だからぜひ取り組みたいと、彼は香川に引っ越すことに。
一方、私は留学カウンセラーとして仕事に邁進していたのですが、しばらく経った頃、世の中がコロナ禍になってしまいました。
ロックダウンが始まり、留学先の生徒たちのサポートや現地の情報収集に追われる日々です。国によってもコロナ対応が違っており、しかもそれが刻一刻と変わる難しい状況でした。無我夢中で懸命に対応し、担当していた方々が全員無事に帰国できたときは心底ホッとしました。
コロナ禍で、先が見えない中私自身の今後について考えたとき、以前から希望していた大学院への進学と、一年間離れ離れだった彼のことを思いました。
希望する大学院はオンライン教育を実施していましたので、どこにいても受講は可能です。
コロナ禍、大学院、結婚。
この三つの要素が重なり、会社を辞めて彼のいる香川県に行くという決断をしました。
—香川ではどんなお仕事をされましたか?
新規事業の責任者として多様なスキルを
香川県では、ご縁があり地元の建材会社・喜田建材が手がけるゲストハウスの運営等に携わりました。
社長は地域を盛り上げたいという熱意を持った方で、ゲストハウスも建材屋ならではのユニークな商材をふんだんに使い、地域の特長をアピールしたりと地場の工務店のショールームのような役割も持っていました。
そこで、ゲストハウス運営に不動産部門、小売りやイベント企画など、多岐に渡る仕事をまとめつつ、新たに海外向け事業の企画も立ち上げました。
どれも初めての仕事ではありましたが、少しずつ前に進む手応えを感じましたし、何より、皆が街の未来を考えてアイデアを出し合う熱意ある現場は刺激的でした。ここで、多様なスキルとともに「仕事とは何か」という根本的な考え方が学べたことは大きかったですね。
喜田建材の社訓に「三方良し」という考え方があるのですが、これは、売り手にも買い手にもメリットがあり、さらに社会にもいい影響を及ぼすという近江商人の考え方で、今でも仕事をする際の私の指針になっています。

—コロナ禍が終わり、また転機が訪れたそうですね
再び教育に携わるべく東京へ
香川の会社で3年近く働く中で、ありがたいことに、将来の社内でのステップアップを見据えた話をいただいておりました。しかし、その頃私の中では、もともと熱意を持って取り組んでいた教育関連の仕事が途中で断たれてしまったことに、あらためて心残りを感じ始めていたんです。
コロナ禍が終わり、留学事業も本格的に再開された頃です。夫のやりたいことや家庭の事情も鑑みて、やはり私は教育の現場にいたいという思いを新たにし、思い切って東京の会社に戻ることにしました。
東京に戻るにあたっては、香川の社長と、今の会社の社長とで話し合いの場も設けられました。香川の社長にとっては、まるで娘を送り出す親のような気持ちだったのだと思います。それくらい、とても良くしていただきましたし、多くのことを学ばせていただきました。二つの会社と出会ったからこそ、今の自分があるのだと思っています。
—今後の目標、希望を教えてください
仕事を通して社会に貢献したい
今の会社に戻るとき、ゆくゆくは会社を任せたいのでそのつもりで、という話をいただきました。目下、社長の次席として責任感を持って仕事に取り組んでいます。
現在、留学希望者が多くいらっしゃるもののスタッフが足りない状況で、まずは社内の体制を整えることに力を注いでいるところです。留学を目指す方の幸せはもちろん、スタッフにとっても良い環境を与えられる会社づくりが目標です。そのために、リモートワークなどを活用して、プライベートとの両立ができる仕事環境を作りたいと考えています。
また、留学事業を通して、社会に良い影響を与えることもしっかり意識していきたい。まさに、「三方よし」が実現できるよう尽力したいと思っています。
マイフィロソフィ
三方よし
〝売り手によし、買い手によし、世間によし〟という近江商人の哲学。
1日のスケジュール
08:45
起床
身支度、朝食
09:40
自宅を出る
10:00
始業
20:00
終業
時間があればホットヨガに行くことも
20:30
帰宅
夕食の準備
夕食・入浴など
24:30
就寝
その日の業務内容や体調によってはリモートで仕事をすることもあります。留学生の渡航シーズン(1月と7月)には、海外出張が続くことも。