「私がやりたいのはこれだった!」 天職だからこそ、無理なく自由なスタイルで

志田さんのこれまで

小学2年生と保育園年中さんの娘たちの育児と家事を会社員の夫と分担しながら、時短勤務・土日休みのスタイルで家庭と仕事を両立しています。結婚後、妊活を機に一度退職、妊娠・出産・育児で約4年間のブランクを経て、新たな職場で働き始めて6年目の元「休眠美容師」です。
美容師が働く環境は、まだまだ過酷なイメージがあるかも知れません。私の前の職場もそうでした。平日しか休めず友人の結婚式はいつも欠席、就業時間外の朝練・夜練は当たり前、保険や有休も無いに等しいもの。美容の仕事は大好きでやりがいも感じていたのですが、結婚して子どもを授かり家庭のこともやっていくとなると、「自分には続けられない」と痛感したんです。
下の娘が預けられるようになり社会復帰を考え始めたときも、美容師には戻れないだろうと諦めかけていました。それだけ、自分の都合で働き方を変えるのが難しい仕事だと思い込んでいたからです。それでも人の役に立つ仕事がしたくて、介護の道へと進むことも検討しました。そんなとき目にとまったのが、サロンのほかに訪問美容も行っている今の職場の求人。「こんな世界があったのか!」と、求めていた仕事に出会えた気分でした。
寝たきりだったり、思うように外出できないお客様のお宅へ伺い、カットやカラーなどの施術を行う訪問美容。これまで美容院へ行くことやおしゃれを楽しむこと自体も諦めていたお客様が、髪が綺麗になると表情までキラキラ輝くんです。初めてひとりで担当させていただいたときの感動は今も忘れません。すごく喜んでくださって、大袈裟じゃなく鳥肌が立つほど嬉しかったですね。「私がやりたいのはこれだった!」って。
新たな技術の習得や資格取得など、今もスキルアップをしながら無理なく充実した毎日。娘たちがもう少し大きくなって育児が落ち着いてきたら、もう一歩、仕事に集中できる働き方にチェンジしていこうと考えています。
女性にとって「仕事とは」
人生における大切なピース
男性の場合は、何もかもを二の次にして仕事だけに集中することも可能かも知れませんが、女性はそうもいきません。いくら周囲の理解や協力があっても、妊娠や出産を代わってもらうわけにはいかないし、その時々で優先順位が変動します。
「家族」「家事」「育児」など、生活の様々なカテゴリーの中のひとつが「仕事」。常に一番ではないけれど、他の大切なものと同等に欠かせない人生のピースだと思います。

家庭と仕事の両立で意識されていることは?

覚悟を決めてとことん話し合うこと
社会復帰前は、夫には仕事に集中してもらい、家事も育児もほぼ私が中心でした。だからこそ、責任ある技術者としての仕事を再開させるには、夫の協力が不可欠だと思ったんです。私が働くことで、今後難しくなってしまう家のこと、やってほしい子どものことなど、私も夫も覚悟を決めて何度も話し合いました。
今では、子どもたちの送迎や、食事の準備なども夫が交代でやってくれるように。週末は、自分たちの時間を交互に確保するようにしています。娘たちも両親の状況を理解してくれているようで、ときに励ましてくれたり、ときに諭されてしまうことも。
働くことに悩まれている方に一言!

諦める前に、調べてみる! 動いてみる!
私自身の経験からですが、先入観やイメージで「無理だ」と決めつけていたことでも、実際に調べたり動いたりしてみると意外な解決策に出会えることって、とても多いと思うんです。職場の規定や行政サービスなども、上手に利用することで無理を軽減できたりハードルが下がることも少なくありません。
漠然とでも社会復帰したいという気持ちがあって、何か壁や問題を感じて二の足を踏んでいる方は、まずは行動に移してみることをおすすめします。
あとは、我慢したり抱え込まず、希望や要望はしっかり声に出して伝えること。それを一度で終わらせず、諦めずに何度も繰り返すことが大切だと思います。
わたしのレディGO!ポイント
・娘たちが寝た後の自分時間
〜ゆっくりお茶を飲みながら映画やドラマを観るのが最高のご褒美!
・こだわりの仕事道具
〜仕事道具のハサミを新調。日々のモチベーションがさらに上がりました!
1日のスケジュール
09:00
訪問美容の仕事
自宅から直行でお客様のお宅に伺い施術をします
12:00
ランチ
サロンに戻り1時間の休憩。ランチタイムは前後のご予約内容で多少変動します
13:00
サロンワーク
訪問美容の予約がない時間は、サロンでもお客様を担当します
15:00
練習
着物の着付けや新しい技術の練習なども就業時間内に
16:00
事務作業
この日訪問したお客様のカルテ入力など、空き時間にまとめて事務作業
17:00
終業〜娘のお迎え
業務終了後、20分以内に退店するのが職場のルール。娘たちを順に迎えに行き一緒に帰宅