サンドアートに出会ったとき「これだ!」と直感 すぐに画材を買いに走りました

目次
—サンドアートを始めたきっかけは?
アートイベントで体験して「これだ!」と直感
子どもの頃から絵を描くのが好きで、将来はキャラクターデザイナーになりたいと思っていました。ところが、高校に入ってから学業とアルバイトに時間をとられ、絵を描かなくなっていき、描くことへの情熱を忘れて夢を諦めました。それでも、アートやクリエイティブの世界は大好きで、短大を出て社会人になってからは毎年アートイベントに出かけるなど、趣味で絵の世界とは繋がっていました。
サンドアートに出会ったのは、しばらく派遣社員として働き、仕事に対して夢や目標を持てずに悩んでいた頃です。アートイベントで、砂で絵を描く体験をしたときに「やりたかったのは、これだ!」と直感しました。その日のうちに画材店で道具を揃え、そこからは制作に没頭です。仕事から帰ったら毎晩4時間ほど集中して描く日々が続きました。
サンドアートを始めて2~3週間経った頃、自分を救ってくれたサンドアートに恩返しがしたいと考え始め、約10ヶ月後には教室を立ち上げました。

—現在は、映像制作やライブパフォーマーとしても活動されています
ある依頼が、その後につながる大きな自信に
自宅で小さなサンドアート教室を開く準備をしていた頃、一人の女性から結婚式の余興としてサンドアートの映像作品を作ってほしいという依頼をいただきました。
人生の大切な場面に関わる依頼をいただいて驚いたと同時に、無名である私に依頼してくれたのは、純粋に作品を気に入っていただけたのだと、とてもうれしく思いました。
お二人の出会いから結婚までのお話を聞いて作品を制作し、会場のお客さまにも喜んでいただけたと聞きました。私にとっては、サンドアートで誰かを〝祝う〟ことができるんだと気づいた印象深い出来事です。この時の経験が、後の活動への大きな自信につながりました。実際、この仕事をきっかけに、映像作品やライブパフォーマンスの仕事へと幅を広げていきました。


—サンドアートと出会って、ご自身に変化は?
残せないからこそ、今この瞬間を真剣に
サンドアートに出会って、私自身の考え方も変わりました。まず、ものごとに執着しなくなりましたね。砂で描くサンドアートは、その場限りの作品なので残すことはできません。さよならしないと次の作品に出会えない。諸行無常を思いますし、一期一会の人生にも似ています。
残すことができないからこそ、作品はもちろん、人に対しても、自分ができる範囲内でいっそう真剣に向き合おうと思うようになりました。
—パフォーマーとして工夫していることは?
好きなことを追求しつつ、TPOも意識して
基本的には自分の好きなスタイルを追求していますが、呼んでいただいたイベントやその時々のテーマに合わせて衣装を変えたりと、TPOを意識してあまり独りよがりにならないよう心がけています。
髪をオレンジ色にしているのですが、これは好きでしていると同時に、パフォーマンス時に暗い中でも映えるように、また、トレードマークとして覚えていただきたいという思いもあります。戦略といえばそうなのかもしれませんが、kisatoという名前も、日本だけでなく海外の方にもわかるようにアルファベット表記にしました。
個人で活動しているので、当然すべて自分で考えてやるのですが、昔から自分を客観視するクセのようなものがあり、仕事を始めてからは、特に意識して物事を俯瞰して見るようにしています。自分の作品を客観的に見ながら改善していくことも多いですね。成功も失敗も自分次第なので気が抜けませんが、指示されて働くだけだった頃に比べると達成感はかなり大きいです。

—これからどのように展開していきたいですか?
時代に合わせたPR活動にも力を
最近特に力を入れているのは、YouTubeです。今までもチャンネルは持っていたのですが、作品を残しておくためのアーカイブ的な使い方をしていただけでした。最近は、ライブ配信で制作の様子を公開するなど工夫して活用しています。個人で活動する上で、SNSはやはり多くの方に作品を知ってもらうための重要なツールですし、お仕事を依頼する方にとっても活動を知るための一つの目安となると思います。
制作には集中力を使い、頭もフル回転。ライブ配信が終わった後は消耗しきってボーッとしてしまうほどですが、大きなやりがいを感じています。
マイフィロソフィ
・相手を不安にさせない
(仕事に限らず、返事を待ってもらうときは「いつまでに」とリミットを伝えたり、仕事を頼むときは先に金額を伝えるなど、過去に自分が不安に思ったことは相手にしないよう心がけています)
1日のスケジュール
09:00
起床
食事、家事
12:00
仕事開始
事務作業、動画編集など
18:00
夕食の準備
夜帰宅する夫のために準備しておく
20:00
ライブ配信スタート
作品が出来上がるまでをライブで配信します
23:00
ライブ配信終了
頭をクールダウン、夕食
02:00
就寝
仕事の内容によって違いますが、ライブ配信をする日はこのようなスケジュールです。配信が終わったら軽くゲームをするなど、頭のクールダウンを兼ねてリフレッシュ。最近は数字系のゲームがお気に入りです。