アイデアから事業を創り出す面白さ。 子育てと仕事の良い循環も
目次
—現在経営されている会社について教えてください。また、以前はどのようなお仕事をされてきましたか?
料理プラスαの感動を大切に
会社では、大きく分けて個人向けと法人向けのサービスを提供しています。個人向けとしては、“料理プラスαの感動”を大切に、伝統的な巻き寿司をアレンジして作る「デコ寿司」や、かわいい絵柄をパンで表現する「アートぱん」など、おもてなしや特別な日のための料理が学べる教室を、また、こうした料理を教える講師になりたい方のサポートもしています。法人向けには、教室運営から得た知見をもとに、商品開発やレシピ動画の制作、イベント企画などを行なっております。
起業する前は、クッキングスクールの講師、また、大手企業で飲食店関連の情報誌の立ち上げにも携わりました。講師の仕事では、食や料理が持つ可能性を発見し、また、新規事業の立ち上げでは、自分のアイデアをもとに企画をたて、仕事を生み出す面白さを知りました。こうした経験が今の仕事につながっていると思います。

—もともと、料理がお好きだったのでしょうか?
自分のアイデアで仕事を生み出す
私自身、子どもの頃に母と一緒に料理の下拵えをしたり、ご近所さんや親戚が集まってわいわいと季節の料理を準備するような環境で育ったんですね。特別な料理を作る時間は、家族とゆっくり会話ができる楽しい時間でもありました。
もちろん、料理を作るのは好きですが、事業企画の視点で考えたとき、そうした楽しい思い出から、料理にはコミュニケーションツールとしての魅力もあると気づいたんです。そこで、最初は“料理を通したコミュニケーション”に主眼を置いた料理教室を個人で始めました。
根底にあるのは、自分のアイデアで「あったらいいな」を実現したり、世の中の困りごとを解決したいという気持ちで、ゼロから仕事を作り上げるのが好きなんです。
—事業企画として、料理が持つ力に着目されたのですね。個人事業から法人化されるまでの道のりはどのようなものだったのでしょうか?
大変だった会社の拡大期
料理教室を立ち上げたのは、27歳の時です。親子料理教室や、合コン料理教室など、ちょっと変わったイベントも企画しました。
初対面では、テーブルを挟んで向き合って話すよりも、横並びでお互いに何か作業をしながらの方がリラックスして話しやすいですよね。
料理を楽しみ、会話を楽しむ参加者の方々を見て、さらにさまざまなアイデアが湧いてきたものです。そんなアイデアを形にするのが楽しく、夢中で仕事に邁進したところ、会社が急速に大きくなっていきました。チームを組んで仕事を回していましたが、当時は支えてくれるスタッフも大変だったと思います。
企業との取引が増えてきたことで法人化することにしたのですが、その頃にちょうど妊娠が分かりまして、早い時期に会社の体制を整える必要が出てきました。
この時期は、新しい企画の立ち上げや本の出版も重なり、プライベートも仕事も大きく変化した時期です。頭は常にフル回転。大変でしたが、子どもが生まれたら育児の時間が取れるようにと考え、私がいなくても仕事が回る体制づくりを意識して動きました。

—お子さんが生まれてから、さらに働き方を見直されたそうですね。子育てと仕事のバランスで大切にされたことは何でしょうか?
できることは全部やろう
実は、出産してすぐ、生まれてきた娘が難聴であることが分かりました。ただ、そうであっても、この子は間違いなく幸せになる、という思いは最初から迷いなく持っていて、「幸せになることと、耳が聞こえないことは関係ないものね」と、両親とも話していました。
一方で、医師から「おしゃべりをするのは難しいかもしれない」という説明を聞いたとき、そこは何とかしてあげたいと思ったんです。聞こえるようにはしてあげられなくても、会話というコミュニケーションの手段を一緒に学ぶことはできるのではないか。そう考え、調べに調べて行き着いた療育施設を訪ねると、「ここに通うなら、ご両親のどちらかは仕事を辞めて療育に専念してください」と、きっぱりと言われました。
実は、そのとき私はすでにシングル。育児か仕事のどちらかを選択できる状況ではなく、娘の療育にしっかりと向き合いつつ、仕事をする道を探る必要がありました。
そこで、「後悔しないように、今できることは全部やろう」と決心し、もともと子育ての時間を見込んで整えていた会社の体制をさらに見直すことにしました。
この時に考えたのは、“代わりが効かない仕事はできない”ということです。仕事は誰かに頼むことができても、娘の母親は私しかいません。私がいなくても仕事が回るチーム作りをする必要性をあらためて考えました。これをきっかけに、会社での自分の役割を見つめ直し、以降は講師業を離れ、プロデュース業に専念することに。仕事はほぼリモートにして、娘のための時間を確保しました。
母としても、社長としても初心者だったこの時期。試行錯誤しながら、失敗もたくさんしました。会社経営一年目の私の至らなさから、チームのメンバーにはとても大変な思いをさせてしまいました。多くの方が力を貸してくださったおかげで、今があるのだと思っています。
—今、仕事について思うこと、また、自分らしく仕事をするためのアドバイスをお願いいたします。
成功しても幸せでなければ意味がない
今年、事業を法人化して9年目になります。
現在進行形で、子育てと会社経営の両方に取り組んでいる最中ですが、仕事が持つパワーや人との出会いに励まされ、家庭では娘の存在に癒され、また、その逆もあり、良い循環の中にあると感じています。
今、起業が注目されていて、ある意味ブームになっていますよね。さまざまな情報に触れ、とにかく何か始めなければと焦ることがあるかもしれません。
私の場合は、自分のアイデアを形にすることが好きなので、自分の特性に起業というスタイルは合っていたと思います。ただ、起業したから立派だということはなく、それぞれの特性に合った仕事スタイルを選ぶことが幸せにつながるのだと思います。成功しても、幸せでなければ意味がありませんから。仕事は、幸せをかたちづくる要素の一つに過ぎないと思うんです。
自分らしく仕事をするには、自分の得意なこと、苦手なことを見極めて、将来につなげていく意識を持つといいかもしれません。時に失敗することがあっても、それもまた自分を知ることにつながります。自分にとっての幸せは何かという明確な考えがあれば、進むべき道は見えてくると思うんです。
マイフィロソフィ
『出会いを大切に』
1日のスケジュール
04:00
起床
パックをしてスクワットを20回
朝食の準備など
05:00
一人でできるデスクワーク
その日のスケジュール確認
タスクの洗い出し、メールの返信など
06:00
オンラインで起業塾の仲間と情報交換
07:00
娘起床
一緒に朝食
家事など
09:00
仕事開始
15:00
娘が帰宅
習い事の送迎(習字とピアノは一緒に習い中)
宿題チェック
夕食やお風呂など
21:30
就寝
週末は娘と一緒にスケジュールを立てて、やりたいことを満喫します。ウォーキングをしたり、お料理を作って友人をおもてなしすることも。














































































